ワールドプランニング社内広報誌
【社長コラム】
「万博を機に考える②」
先月号に続き、万博を踏まえて目的・目標と手段について考えていきたいと思います。
万博は「未来の社会を提案する場」です。成功のカギは、商業化の波にさらされながらもその本来の目的を見失わずに進むことです。
その成功は、1.未来ビジョンの提示、2.国際交流の促進、3.新技術・文化の普及という3つの観点で評価されます。経済的な収支はその次の要素として存在し、長期的な社会への影響がより重視されるのです。1970年の大阪万博が今でも語り継がれるのは、技術革新と社会像を強く打ち出したからでしょう。
一方、2025年の大阪・関西万博における課題を3点挙げてみます。
一つ目は「商業イベント化」とのバランスです。「空飛ぶクルマ」や「最先端医療技術」などが企業の宣伝色ばかり強くなれば本来の意義は薄れてしまいます。重要なのは、それらが未来社会にどう貢献するのかを示すこと。技術や展示物が“終わってから”どんな形で社会に役立つかが問われるのです。
二つ目は、「レガシー(遺産)」の活用です。万博が終わった後、その跡地や施設がどう使われるのか。これはオリンピックでも共通する課題です。成功例として、1970年の大阪万博跡地は万博記念公園として活用され、2005年の愛・地球博跡地はジブリパークなどで再活性化されています。反対に、1993年の韓国・大田万博の跡地は一部が放置され、2010年の上海万博の跡地は多くの施設が解体されました。大阪・夢洲も同じ轍を踏まないよう、持続可能な都市開発のモデルケースとなる活用が求められます。
三つ目は、「持続可能な社会」をどう実現するかです。再生可能エネルギーの活用、廃棄物の循環利用、建築物の再利用性など、SDGsの実践を通じて、万博が終わったあとも「未来の社会モデル」として世界に発信できるかが問われています。つまり、万博は「未来社会の実験場」とも言えます。
この「目的と手段」の関係性は、私たちの仕事に置き換えることができます。日々の業務の中でも、手段が目的化してしまう場面は少なくありません。たとえば、売上を上げることは重要ですが、それは「お客様に価値を届け信頼を得る」ことにより「精神的経済的に皆が幸せを感じる」という本来の目的を実現するための手段です。もし、無理な営業や品質の伴わないサービスで売上だけを追求すれば、長期的には信頼を損ね、逆効果になります。
人材育成においても同様です。「研修を実施する」「マニュアルを整備する」といった行動自体は手段であり、目的は「全役職員が主体的に考え、行動し成長すること」です。打合せや報告が形式化し、「やったこと」だけに満足してしまっては、本来の意味を失ってしまいます。
では、目的と手段を混同しないためにはどうすればよいか。
1.目的を明確にする
2.その手段が目的達成に本当に寄与しているか見直す
3.短期でなく、長期的視点で考えること
だと私は考えています。
万博が一過性のイベントではなく未来を示す社会モデルとなるように、日々の仕事において「何のためにやるのか」を問いながら行動するよう意識してみましょう。その意識がやがて行動に表れ、自分自身や組織・社会の持続的な成長につながるはずです。コツコツとやり続けていけば必ず成果は出ますので。
最後に、万博が終わった時に日本中が“開催してよかったなぁ”という充実感に包まれることを期待します。
【管理部長コラム】
環境変化に対応する力 ~柔軟でしなやかな自分をつくる
新しい年度がスタートし、私たちを取り巻く環境はますますスピード感を持って変化しています。
AI技術の進展、グローバル化の加速、働き方の多様化……。これらの変化にうまく対応できるかが、今後の個人・組織の成長を左右するといっても過言ではありません。
では、どうすれば「変化に強い自分」になるのでしょうか。
変化に気づく「アンテナ」を高める
まず、世の中の動きに対して敏感でいることが大切です。
日々のニュース、業界のトレンド、社内の小さな変化も見逃さず、
「何が起きているのか」「なぜ起きているのか」を考える習慣をつけましょう。
小さな変化に気づける人こそ、いち早く対応できる力を持つことができます。
「小さな変化」を恐れずに受け入れる
変化というと、大きな変化をイメージしがちですが、実は日常の些細なことにもチャンスは潜んでいます。
「昨日までと違うやり方を試してみる」「新しいツールに触れてみる」など、まずは小さな一歩を踏み出しましょう。
小さな成功体験の積み重ねが、大きな変化にも柔軟に対応できる力を育てます。
「変化=成長のチャンス」と捉える
変化は、時に不安やストレスを伴います。
しかし、変化は新たなスキルや経験を得る絶好の機会でもあります。
困難な局面こそ、自分を成長させるチャンスとポジティブに捉えましょう。
過去を手放す勇気が、未来を切り拓きます。
周囲とつながり、視野を広げる
変化に対応するためには、孤立せずに他者と協力する姿勢も大切です。
違う考え方、違うバックグラウンドを持つ人たちとの対話を通じて、
自分自身の考え方に柔軟性を持たせましょう。
「多様性を受け入れる力」が、結果として自分の武器になります。
【編 集 後 記】
今年のゴールデンウィークは最大10連休の方もいるそうですね。
円安傾向は続いていますが、燃油サーチャージの一部緩和もあり、昨年よりも海外旅行を計画する人が増えているようです。とはいえ、国内の観光地も例年以上に賑わいそうです。
皆さんのおすすめスポットや旅行プランも、ぜひ教えてください!
広報委員会一同