ワールドプランニング社内広報誌

【社長コラム】

「万博を機に考える」

 

4月12日に大阪関西万博がスタートします。パビリオンや施設工事が進むにつれ機運が上がってきている様に感じます。チケットを購入した知人が増え、私自身も購入しました。大屋根リングを体感するだけでも価値があるかな、とも考えています。

そこで過去日本国内で開催された万博概要を調べてみると以下の通りでした。

  1. 1970年:日本万国博覧会(大阪万博)

開催地:大阪府吹田市(千里丘陵) テーマ:「人類の進歩と調和」
・参加国数77か国、入場者数約6,421万人(当時の世界記録)

  1. 1985年:国際科学技術博覧会(つくば万博)

開催地:茨城県つくば市 テーマ:「人間・居住・環境と科学技術」
・参加国数48か国、入場者数約2,030万人

  1. 1990年:国際花と緑の博覧会(花の万博)

開催地:大阪府鶴見区(鶴見緑地) テーマ:「花と緑と人間の共生」
・参加国数83か国、入場者数約2,310万人

  1. 2005年:2005年日本国際博覧会(愛・地球博)

開催地:愛知県長久手市・瀬戸市 テーマ:「自然の叡智」
・参加国数121か国、入場者数約2,205万人

上記でも特に1970年の大阪万博と2005年の愛知万博が大きなインパクトを与え、経済発展や技術革新の推進力となったことから2025年の大阪・関西万博にも大きな期待が寄せられています。

一方で万博関連の報道内容に違和感を覚えることがあります。その一つが「前売りチケット販売目標未達成」「販売達成率約70%」に象徴される現象です。この話題“オリンピックの商業化”と重なりませんでしょうか。近年のオリンピックは、巨額のスポンサー契約やプレゼンテーション権料が絡み、商業主義が色濃くなっており誘致に関する不正疑惑が浮上するほどです。 万博も同様に回を重ねるごとスポンサーシップや収益確保が話題になり、今回の大阪関西万博でもチケット販売目標や収支の問題がクローズアップされています。経済効果や景気高揚効果は必要ですが、そもそも万博の目的は何なのか?何のために万博は開催されてきたのか?という疑問が生まれます。万博の本来の目的と意義は以下の3点です。

①技術革新と未来社会のビジョンの示唆

歴史的に新しい技術や先進的なアイデアを世界に紹介する場であり、「未来を体験する場」として社会が向かう方向性を示す役割を果たすこと。

②国際交流と文化の相互理解の促進

参加国が自国文化、技術、産業を紹介し、相互交流の機会を創り出すこと。オリンピックが「スポーツによる国際交流」なら、万博は「文化と技術による国際交流」です。

③社会課題への取り組みと持続可能な発展の推進

特に今年の万博は技術の発展だけでなく、社会課題への取り組みを重視しており社会の未来像を世界と共有する場としての役割を期待されています。

商業化の強まり、円安・物価高・物流コストや人件費増を背景に今年の万博では開催に巨額の予算がかかるためスポンサー企業の協力が必要となりました。当然スポンサー企業は営利を目的とする株式会社が大半を占めます。それ故前述のような報道が連日なされてしまうのかもしれませんし、税金が投入されている以上尚更です。万博が商業化に埋もれてしまうと、本来の目的である「技術革新」「未来へのビジョン」「国際交流」が後回しになってしまう懸念があります。

そしてこの現象は我々の業務上に置き換えることができます。職場の全員が、お客様や自社そして同僚にとって良かれと思って行動しているにも関わらず何かスッキリしない、業務が滞る、非効率な感じがする等々。その大きな要因は「稼ぐ」ことが最大最終目的になっているからです。株式会社が営利を求めることは目的の一つですが、本来稼ぐことは手段であり「精神的にも経済的にも皆が幸せになる」ことがその先に存在する目的となります。この目的を達成するために定めたものが社是・社訓・経営理念といわれるものです。次号ではこの「目的・目標」「手段」が混同されてしまいがちな現象について万博を踏まえて掘り下げてみます。

今回の万博は、情報発信方法や機運の盛り上げ方にも厳しい指摘が出ています。電通・博報堂の両社は東京オリンピックの不正疑惑に起因し万博には関わっていないそうです、ご参考まで。

 

コンプライアンス徹底のお願い:全社員で取り組む法令遵守の重要性

当社では、法令や社内規則を遵守する「コンプライアンス」を最重要課題の一つとしており、社員全員がこれを守ることが会社の信用を支える基本となります。

コンプライアンスに関して、社会全体の意識が高まっている中で、私たちは特にハラスメント防止、労働時間管理、情報管理の徹底に注力しています。これらの分野での違反は、会社の信用を失うだけでなく、社員一人ひとりに深刻な影響を与える可能性があります。

特に「飲酒運転」についても、絶対に許されない行為として再度強調させていただきます。飲酒運転は命に関わる重大な事故を引き起こすリスクがあり、会社や社会に対して取り返しのつかない損害を与える可能性があります。スタッフ全員がこの問題に真摯に向き合い、徹底した自己管理を行うことが必要です。

また、その他のコンプライアンス違反に関しても、例えばハラスメントが発生すれば職場の雰囲気を悪化させ、精神的な負担が大きくなれば健康に悪影響を及ぼす可能性があります。これらは日々の小さな意識の積み重ねで防ぐことができます。

当社は、皆さんが安心して働ける環境を提供することに全力を尽くしていますが、そのためには社員一人ひとりの協力が欠かせません。お互いを尊重し、法令と社内ルールを守ることが、私たち全員の未来をより明るいものにします。

 

【編 集 後 記】

春の陽気が心地よい季節になりましたね。今年はいよいよ2025年の大阪万博!「いのち輝く未来社会」なんて、少し難しそうに聞こえますが、実際にはワクワクするような新しい体験や発見がたくさんありそうです。私たちもこの春、新たな気持ちで日々を楽しんでいきましょう!

広報委員会一同